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2026年「新gTLD」14年ぶりに申請開始 .moe .earth .xyz など面白いドメインの今

サイトの「顔」ともいえるドメイン。.com.jp といった定番に並んで、いまは .xyz .moe .earth .fun のような少し変わったドメインも珍しくなくなりました。さらに2026年は、ICANN(インターネットのドメイン名・IP管理を行う国際組織)が14年ぶりに新しいトップレベルドメイン(gTLD)の申請受付を再開する節目の年でもあります。本記事では、いま使える「面白いドメイン」の例と、これから増えていきそうな動きをまとめます。

14年ぶりに動く、新gTLDの2026年ラウンド

ICANNは2026年4月30日から8月12日までを「新gTLDプログラム 第2ラウンド」の申請受付期間として公表しています。前回の申請ラウンドは2012年で、当時は約1,200もの新しいgTLDが追加されました。.tokyo .berlin などの地理的TLD、.bank .eco のような業種・概念系TLD、そして .microsoft .sky のような企業ブランド専用TLDが誕生したのもこのときです。

2026年ラウンドの大きな特徴のひとつが、国際化ドメイン名(IDN: Internationalized Domain Name)の大幅な拡張です。アラビア文字、漢字、デーヴァナーガリーなど27のスクリプトで、数百の言語に対応するgTLDが申請可能になります。これまでASCII(英数記号)中心だったドメイン空間が、より多言語に開かれていく方向です。

2012年ラウンドと2026年ラウンドの違い
前回1,200超のgTLDが誕生。今回は多言語IDNが大幅拡張

申請費用については、ICANNの基本申請料が1TLDあたり22.7万ドル(約3,500万円規模)と高額で、加えて地理的名称TLDの場合は1.8万〜2.5万ドル、コミュニティ優先審査では5万〜8万ドルの追加費用が発生します。日本国内で代行サービスを利用する場合、申請代行150万円〜、年間運用費290万〜500万円以上といった水準とされ、簡単に取得できる対象ではありません。とはいえ、ブランドや業界団体にとっては「自分たち専用のTLD」を保有できる稀な機会といえます。

いま使える「面白いドメイン」たち

2012年ラウンドで生まれたgTLDの中には、用途やコミュニティを巧みに表現するユニークなものが多くあります。一部の登録数は数百万件規模に達しており、もはやニッチとは言いきれない存在感です。

いま注目のユニークなドメイン

具体例をいくつか挙げます。

  • .xyz:用途を限定しない汎用性が評価され、約813万件の登録数を持つ大型TLD。Web3系プロジェクトやスタートアップでの採用が多い。
  • .moe:日本の「萌え」が語源で、アニメ・サブカルチャー領域の国際的コミュニティが活用。約1万6,500件。
  • .earth:環境・地球規模のテーマを掲げるサイトに選ばれており、約4万件・更新率70%以上と継続率が高い。
  • .app:Googleが運営する、HTTPS必須の安全志向TLD。アプリ系プロダクトページで採用が広がり、約111万件。
  • .shop / .blog:用途が一目で伝わるため、ECサイトやメディアで選ばれやすい。
  • .tokyo / .osaka / .yokohama:地域に紐づくサービスや店舗で利用される地理的TLD。
  • .fun:「楽しい」「面白い」をストレートに表現できる新ドメインで、エンタメ系の遊びとして選ばれる。

これらは「サイト名+意味のある拡張子」を1つのコピーのように見せられるのが強みで、検索結果やSNSでの視認性にも影響します。

これから増えるかもしれないドメイン

2026年ラウンドで予想されるのは、おおむね次の3方向です。

  1. ブランドTLD(dotBrand)の拡大:自社名そのものをTLDに使う仕組み。https://shop.example/ のようなURL設計が可能になり、フィッシング対策やブランド体験設計に活用しやすい。一方で、ICANNへの申請費用・年間運用コストが大きく、対象は大企業中心になる見込みです。
  2. 多言語TLDの本格化:日本語・中国語・アラビア語などのスクリプトでgTLDが申請できるようになり、URL全体を母語で完結させる構成が広がる可能性があります。
  3. 業界・コミュニティ特化型TLD:特定のテーマに紐づくTLD(地域、職種、趣味など)が増え、サイトの立ち位置を一目で示せる選択肢が増えていきそうです。

なお、申請からルートゾーン登録(インターネット全体で使えるようになる手続き)までは数年単位の時間を要します。2026年に申請されたTLDが一般登録できるようになるのは、早くても2027〜2028年以降の見通しです。

Webディレクターの視点で押さえておきたいこと

ドメイン戦略は本来、クライアントの長期的なブランド設計に関わるテーマです。新gTLDが選択肢として広がるなかで、ディレクターとして意識したい点を3つ整理します。

第一に、ドメイン選定はSEOよりブランド観点で議論するのが現実的です。Googleは公式に「新gTLDだから不利」とは表明しておらず、評価は中身次第とされています。一方で、ユーザーが「.com 以外を見慣れていない」傾向は依然として残るため、覚えやすさ・打ちやすさ・誤入力リスクのバランスを取る視点が重要です。

第二に、ブランドTLDはセキュリティ施策の文脈で説明すると、経営層への提案に乗せやすくなります。「*.brand で社内外を統一すれば、なりすましドメインの判別がしやすい」といった切り口です。ただし費用規模を考えると、現実的に検討できる企業は限られます。

第三に、面白いドメインはコミュニケーション施策の選択肢として持っておくと提案の幅が広がります。キャンペーン専用サイトやサブブランドの立ち上げ時に、.fun .earth .moe などの遊び心のあるTLDが、ターゲット層との距離を縮める一手になる場合があります。

まとめ

2026年は、ICANNが14年ぶりに新gTLDの申請を受け付ける節目の年です。すぐに新しいドメインが街にあふれるわけではありませんが、ブランドTLDや多言語TLDが次の数年で少しずつ広がっていく可能性があります。.xyz.moe のように、すでに使える面白いドメインも増えてきました。クライアントワークの引き出しのひとつとして、「ドメインで何を伝えるか」を考える視点を持っておくと、サイト企画の最初の一手がもう少し豊かになりそうです。

参考リンク

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